沖縄、読谷へ。

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いつの頃からたまに沖縄に通うようになった。
仕事で海外に行くことがあったり、所用で関西に行くのに、なるべく飛行機に乗ったりしてマイレージをせっせと貯めこんでは、一年に一度は思い立つように沖縄を訪れる。
沖縄には悠久の琉球王国のスピリチャルな癒しの時間が流れている。以前は離島を訪れることもあったが、ここ何年かは沖縄本島を究めようという気持ちだ。
ネット予約しておいて那覇空港から気軽に利用できるレンタカー。

高速道路が走っていて南北に長い沖縄本島のあちこちに向かえる。
ここ何年かは今帰仁城がある本部半島あたりが気に入って、名護や本部の町で新鮮な沖縄の食材を買いこんでは、フクギ並木で有名な備瀬の一軒家のビーチハウスを借りてみんなで滞在するのが好きだったが、最近はもっぱらひとり沖縄だ。
ひとり旅が好きになったのには、実はもうひとつ理由がある。最近、ネットオークションで偶然目にして、衝動的に落札してしまった新品未使用のパタゴニアの「ブラックホール25L」の青色のバックパック。このパタゴニアの青い色は「Under Water Blue」と呼ばれていて、私はこの色味はもちろん、「Under Water Blue」というネーミングがとても気に入ってしまった。
私はこのバックパックを手に入れて、おかしな決意をした。
「そうだ!この青いバックパックといっしょに日本を、世界のあちこちを旅しよう。
機内持ち込みで足元に転がせる比較的小さなリュックに大量の荷物は入らないのはわかっている。きっと2~3日分の最低限の身の回りのものしか入らないだろう。
でも、いままで、世界中を旅したときになんでも詰め込んで引きずって持ち運んでいた大きなゼロハリバートンのスーツケースに、いったい何の意味があったのだろうか?
身も心に一糸だけをまとい、まさに着の身、
着のままで、山頭火のように虚飾を排し、自由な風のようになって、もう一度旅をはじめようではないか。人は生まれたときは裸でしょせん死ねば、風に舞う砂塵だ。旅も断捨離。何かが必要になったらその場で考えればいいではないか。
 そんな投げやりで潔い気持ちになれるのはやはり、歳をとったせいに違いないとも感じるが、とりあえず、私の「Under Water Blue Trip」は何の脈絡も合図もなくはじまった。
第一回目は沖縄・読谷。
何気なくクリックしていたトリップアドバイザーで、とても泊まってみたい気になるアコモデーションを見つけてしまったからだ。
その宿の名前は、「ルートシックスイン」。

春なお冷たい雨の降る3月の中旬、その旅は始まった。